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続々PC直っています

今日は、新聞のコラムから紹介します。

     『平和国家であるために』     山田 孝男

 戦後日本の平和は、大戦の痛切な反省の上に成り立っている。過去70年間、日本は国際社会で、軍事的な自己利益を求めて行動したことが無い。
 今さら軍国主義の日本に戻るなどありえぬと確信するゆえんだが、残念ながら疑う声が多い。
 政権の課題は批判をやり過ごすことではない。明快に答え疑いを確実に拭うことである。
                ◇
 内外世論が「安倍政権は危険」といぶかる理由はいくつかあるが、目立つのは次の二つだろう。
 まず、安倍晋三首相と周辺に、満州事変(1931年)の侵略性を否認するような言動がある。これが安全保障関連法案の強行採決と結び付き、「表向き平和を唱えるが、本当は無反省な軍国主義者」という不信をかき立てている。
 もう一つは、政権批判に対する、政権側からの口汚い反撃である。
 批判の側にも口汚いものがあるが、政府・与党が下品にやり返すというような割り切り方は、それ以前の政権にはなかった。
 礼節、慎み、品位ーは古来、日本社会で尊重されてきた価値であり、経済立国の戦後も、変わらず受け継がれたと思う。
 安倍政権は、自らその伝統を断つのか。そんな感覚で世界を平和的秩序へ導けるか。そういう疑問が世間に広がっている。
                  ◇
 日本人の多くは、日清戦争も日露戦争も、すべて日本の一方的な加害行為、侵略戦争だったという解釈を受け入れがたい。
 両戦役は19世紀以来の欧州列強の東漸、ロシアの南下を背景にしている。それに対抗した歴史を日本の加害性のみで説明するのはいかにも自虐的だ。
 が、満州事変は違う。悲惨な第一次大戦に懲りた欧州で武断主義、領土拡大への反省が広がったころ、日本は満州(中国東北部)を侵略し、かいらい国家をつくって孤立した。
 これは内外の史家の間に定着した通説だが、これさえ非認するのかという疑念が安倍政権不信の中核にある。首相は「侵略」2文字の非認に固執せず、政権とその支持者が、あたかも日本無謬(むびゅう)説にこり固まっているかのような国際的誤解を解いてほしい。
 同時に、政権批判を憎んで自ら退行せず、悪態を吐き散らす身内を、渋々ではなく、果断に除く強い意志を示してほしい。
                 ◇
 日本は、大戦の猛省の上に築いた70年の平和に自信を持ち、世界の国々を平和共存へ導きたい。
 他方、それは夢想に過ぎず、安保法制の整備でむしろ危険が増し、戦争に巻き込まれるだけではないかという不安がある。
 不安自体は否定しがたいが、「憲法9条の厳格な解釈あればこそ、日本はこれまで、アメリカの戦争への参戦を拒否できた」という主張は正しいか。
 湾岸戦争からイラク戦争まで、つねに日米交渉に関わった防衛省高官に聞くと、こう答えた。
 「9条を口実に使った面はありますが、あくまで政府の意思ですよ」
 評論家の小林秀雄がこう言っている。
 「自信というものは、雪のように音もなく、いつの間にか積もったようなものでなければ駄目だ」(「道徳について」。原文は旧仮名遣い。一部漢字)
 それでいけば、戦後70年の平和こそ、列島全土に降り積もった雪のようなものだろう。われわれは、自信を持つべきだ。そこが基本だと思う。

                  7月20日(月)毎日新聞朝刊より

しみじみ読みました。そして私が過ごしてきた平和な年月をそれ以上無期限にして、子や孫たちにも手渡してやりたいと思いました。
 
     
 

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by piropiromi65 | 2015-07-20 22:18 | Comments(2)
Commented by けいこ at 2015-07-24 12:33 x
続々と一気読みさせて頂きました。
治って良かった、再開されて良かったわ。

戦後に産まれていつの間にか平和で便利が当たり前の世の中。
逝くまであとン十年?(あるかな)

3.11の震災が起きた時に「自分が生きている間にこんな恐ろしい事を経験するとはー」と思いました。
今後のン十年、そしてその後も人的な災害は起きないことを願います。
Commented by piropiromi65 at 2015-07-25 22:09
★ けいこさんへ
こんばんは。
ご無沙汰しておりました。訪ねてくださってありがとうございます。
私もこんな(戦争の心配をする)時代が来るとは思ってもみませんでした。
宗教界(カトリック、仏教、神道も)からの参加もありました。
幅が広いと思いました。